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会社を設立したら実践したい節税策
会社を設立するとさまざまな節税を行うことができますが、会社設立による節税上のメリットとして一番に挙げられるのは、自分(社長)に給与を支払うことができるということです。
自分に給与を支払うとなぜ節税効果があるのか不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
会社から社長に給与を支払うということは、社長の立場で考えると、今まで個人事業者だったのが、会社を設立することにより会社から給与をもらう立場である給与所得者に変わります。
この給与所得というのが、会社を設立することによる節税効果のポイントです。
ここでは、会社を設立して自分に給与を支給することによる節税効果を具体例を交えて解説してまいりたいと思います。
個人事業主の場合は、自分が主体として事業を行っているため、個人事業主=自分ということになります。
そのため、個人事業主が生み出した稼ぎは、そのまま個人事業主自身の所得となります。
その個人事業主が会社を設立して、その会社の社長になったとします。
そうすると、法的にいうと事業を行うのはあくまで会社となり、社長自身が事業を行っているわけではないということになります。
(今までとまったく同じ事業内容を行っているのにもかかわらずです。)
つまり、会社を立ち上げると、会社≠自分ということになります。
その結果、会社が営業活動を行って生み出した利益は、あくまで会社の利益ということになります。
よって、会社がいくら頑張って利益を生み出しても、それ自体は社長自身の所得にはなりません。
会社が生み出した利益自体は社長の所得ではありませんが、社長はその会社の役員としての職務を遂行しています。
そこで、社長は会社からその職務執行の対価として役員報酬をもらうことになります。
この役員報酬は、所得税の計算において給与所得という所得区分に分類され、この給与所得に対して社長個人の税金がかかります。
給与所得とは勤務先から受ける給与・賞与などの所得をいい、会社員などが会社から給与をもらう際の所得区分です。
つまり、社長は税金の世界ではサラリーマンと同じ、ということになります。
実は、給与所得者は税金の世界では優遇されています。
給与所得は下記のように計算します。
給与所得=給与収入-給与所得控除
つまり、給与所得者は給与収入に対して税金がかかるわけではなく、給与所得控除というものを差し引いた給与所得に対して税金がかかります。
サラリーマンは仕事で使うスーツやカバンなどを買っても、それを経費で落とすことができません(特定支出控除という制度で落とせなくもないですが、使い勝手は良くありません)。
ですので、そういった実費の経費を落とせないかわりに、給与所得控除という概算経費を認めているわけです。
そういった意味合いから、給与所得控除はサラリーマンの必要経費といわれています。
一方、個人事業主(事業所得)には、そういった概算経費の制度はありません。
この給与所得控除こそが、会社を設立する代表的な節税効果の一つになります。
例えば、利益が600万円の場合の個人事業と法人の税金の違いを考えてみましょう。
※ 青色申告特別控除65万円をとっているものとします。
※ 配偶者の所得は38万円以下(配偶者控除の対象)とします。
※ 配偶者控除と基礎控除以外の所得控除はないものとして考えます。
※ 復興特別所得税は除いて計算します。
※ 所得税と住民税の課税所得金額は本来は少しずれますが、計算を簡単にするため同額として考えます。
個人事業の利益は、それがそのまま個人の所得(事業所得)になります。
ここから所得控除を差し引いた金額(課税所得金額)に対して所得税や住民税がかかります。
課税所得金額
=600万円-青色申告控除65万円-配偶者控除38万円-基礎控除38万円
=4,590,000円
この課税所得金額を下表の所得税・住民税の税率表に当てはめると、所得税と住民税の金額は下記のとおりになります。
所得税=4,590,000円×20%-427,500円=490,500円
住民税=4,590,000円×10%=459,000円
さらに、個人事業主の場合は、個人事業税がかかります。
個人事業税は、細かい説明を省くと下記の算式により計算します。
個人事業税=利益-事業主控除290万円
また、個人事業税の税率は、特定の業種を除くと5%になります。
よって、個人事業税の計算としては、
個人事業税=(600万円-290万円)×5%=155,000円
結果として、個人事業主の場合の税金(所得税、住民税、事業税)の負担は下記のとおりになります。
合計=490,500円+459,000円+155,000円=1,104,500円
その場合、法人としては利益0円ですから、法人に対する税金は基本的にはかかりません。
ただし、法人住民税均等割というものは利益が出ていなくても必ずかかります。
均等割の金額は資本金や従業員数により異なりますが、今回は資本金1千万円以下、かつ、従業員数50人以下という前提で考えて、均等割7万円とします。
あとは社長個人の税金です。
社長の給与収入は600万円ですので、これを下表の給与所得控除計算表に当てはめると、
給与所得控除=6,000,000円×20%+540,000円=1,740,000円
となり、
給与所得=6,000,000円-1,740,000円=4,260,000円
となります。
ここから所得控除を差し引いた金額(課税所得金額)に対して所得税や住民税がかかります。
課税所得金額=426万円-配偶者控除38万円-基礎控除38万円=3,500,000円
この課税所得金額を下表の所得税・住民税の計算表に当てはめると、所得税と住民税の金額は下記のとおりになります。
所得税=3,500,000円×20%-427,500円=272,500円
住民税=3,500,000円×10%=350,000円
合計=272,500円+350,000円=622,500円
これに法人住民税均等割の7万円を足すと、法人・個人合わせた全体の税負担としては、下記の通りになります。
622,500円+70,000円=692,500円
所得税・住民税の税額表(平成27年4月1日現在)
所得 | 所得税 | 住民税 | |
税率 | 控除額 | 税率 | |
195万円以下 | 5% | 0円 | 10% |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 | |
330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 | |
695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 | |
900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 | |
1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 | |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
給与所得控除の計算表 ※平成29年から表が変わります
給与収入 | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 給与収入×40% (65万円に満たない場合は65万円) |
180万円超 360万円以下 | 給与収入×30%+180,000円 |
360万円超 660万円以下 | 給与収入×20%+540,000円 |
660万円超 1,000万円以下 | 給与収入×10%+1,200,000円 |
1,000万円超 1,200万円以下 | 給与収入×5%+1,700,000円 |
1,200万円超 | 2,300,000円(上限) |
利益600万円の例で考えると、個人事業よりも法人の方が税金が412,000円安いという結果になりました。
年間でこれだけの税金の違いがあるということを考えると、法人化による給与所得控除の恩恵はかなり大きいということがいえると思います。
個人事業主の方は、法人化によりどのくらいの節税効果があるのかをご自身の事業所得の金額をもとに計算してみるとよいでしょう。
個人の建設業者さまやこれから建設業を営まれるお客さまの会社設立を代行いたします。
会社設立後に建設業許可を取得する場合には、許可要件を満たす会社になるようアドバイスいたします。
早く会社を設立したい方、会社を設立すべきか悩まれている方は、まずご相談ください。
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